初学者向けネットワークの基礎知識! 実際どのように通信しているのかを解説します!

2022年2月12日ITインフラ

ネットワーク 初心者 解説

Part1ではネットワークを学ぶ上で基礎の基礎となる技術やルールについて解説しました。

今回はそれらの内容を使って、実際にPCやサーバがどのように通信しているかを解説していきます。

一般的な家庭のネットワーク利用は?

おそらくこの図のような感じになっているのではないでしょうか?

家の中にモデムかモバイルルータが1つあってそれらが出してるWifiにPCはもちろん、スマホ、タブレットなど様々な機器を接続していることでしょう。

自宅のネットワークはどうなっている?

Part1の記事でもご紹介したように、ネットワークにいる機器はIPアドレスというネットワークの中で一意の情報を持っています。

自宅では、1つもモデムのSSIDに接続していることがほとんどでしょう。

その場合、モデムに接続された機器は同じネットワークに接続されている状態となります。

先程の図にIPアドレスを追記するとこんな感じになります。(IPは私の家の例です。)

なお、「/24」という表記ですが、これはIPアドレスの先頭から24ビット目までがネットワーク部ということを表す表記です。

ん?と思った方は、こちらの記事の図で思い出してください!

では、これらをみやすくするためにネットワークごとにまとめてみましょう!

自宅の例のネットワーク図を書く!

これが仕事でよく使う論理ネットワーク図になります。

論理ネットワーク図というのは、ネットワークの情報に基づいて作成された図です。

どこに置いてあるかに関わらず、同じネットワークに属する機器をまとめているのが特徴です。

この例の図では全ての機器が同じネットワークに接続していることがわかりますね。

逆に、最初にお見せしていた図は、物理ネットワーク図といって物理的な機器の接続関係を表せる図です。

今回は無線(Wifi)を想定しているのであまり旨味はないですが、Lanケーブルを使った有線接続の場合、どの機器の何番目のポートにどの危機が挿さっているのかを見ることができて便利です。

仮に有線にした場合こんな感じになります。

L2スイッチはLanケーブルの接続口がたくさんついた箱みたいな見た目です。

同じネットワークとは?

ずばり、同じネットワーク部を持っていることです!

TCP/IPでいうと「ネットワークインターフェース層」で提供される機能のみで通信できる範囲で、L2スイッチや無線APがそれらの機能を使えます。

ネットワークインターフェース層は一般的に「L2(Layer2)」と呼ばれており、同じネットワーク内の通信を「L2の通信」などと呼んでいました。

L2の通信でやり取りされる情報はフレームという単位で分割されてやり取りされています。

インターネットに接続するときは?

NAPTという技術を使ってモデムが代わりにインターネットとの接続を行なっています。

簡単にいうとアドレスを変換する技術で、業者によってモデムに割り振られているグローバルIPとしてインターネットに接続させてくれています。

本来、インターネットに接続するときPCにもスマホにもタブレットにも1台につき1グローバルIPが必要なのです。

NAPTをつかうことでネットワーク内にいるPCもスマホもタブレットもモデムに割り振られている1つのグローバルIPで通信することができます!

企業のネットワークの例

企業のネットワークは、一般的に自宅のネットワークよりも大規模になります。

それは、「部署」「フロア」「拠点」ごとにネットワークを分けていることが多いからです。

部署AのIPは192.168.0.0/24 ,部署Bは192.168.1.0/24,業務に使うサーバは192.168.2.0/24というようにやるとそれぞれ、第4オクテット1~254までの254個のIPアドレスを使うことができます。

0と255は特別なIPアドレスなのでPCなどの個別の機器には割り当てられません。

通信の流れを確認

では、この例でPC1から社内webサーバにアクセスするときの動きを追ってみましょう。

通信元と通信先の情報はこの通りです。

対象IPアドレスネットワークアドレス
PC1192.168.0.10192.168.0.0/24
社内webサーバ192.168.2.254192.168.2.0/24

別のネットワークと通信するためにはルーティング

今まで出てきたL2の通信では別のネットワークと通信することはできません。

異なるネットワーク間を中継する必要があります。この例ですと、ルーターが該当し別ネットワークへ情報を中継してくれます。

この中継をルーティングと言ってTCP/IPの「インターネット層」で提供される機能です。

PC1は社内Webサーバのネットワークと通信するために、目的のネットワークに直結されているルーター1にルーティングしてもらいます。

PCの設定では、どこのネットワークかわからない宛先の時にとりあえず通信を中継しておもらおうとする機器のIPをデフォルトゲートウェイとして設定たりします(見たことある方は多いのでは?)

ルーティングの依頼を受けたルーター側では、目的のネットワークが自分の直結したネットワークであればL2の通信で宛先に情報を送信します。

一回のルーティングでたどり着けない時は?

辿り着くまでルーティングしようとしてくれます!

目的地が中継先のルーターも直結されていない場合はルーターが別のルーターにルーティングして目的のネットワークを探そうとします。(ただし、試行回数は決まっているのでたどり着けない場合もあります。)

どのネットワークへの通信を誰にルーティングするかという情報をL3スイッチに設定することができその情報をルーティングテーブルと呼びます。

L3スイッチはルーティングテーブルの情報をもとに通信をルーティングしていきます。

ルーティングをするための機器

TCP/IPでいうと、「インターネット層」の機能を使うのでそれらをを扱える機器が必要で、L3スイッチやルーターが該当します。

インターネット層は一般的に「L3(Layer3)」と呼ばれております。

L3の通信でやり取りされる情報はパケットという単位で分割されてやり取りされています。

L3スイッチとルーターの違いはほとんどない!

L3スイッチは聴き慣れないと思いますが、

この2つに機能的な違いはほとんどありません。

大きく違うのは物理的なところで、ポートの数、接続できるケーブルの種類、大きさくらいです。

キーワードのまとめ

論理ネットワーク図

ネットワーク情報に基づいて作成された図。

通信の経路はわかりやすいが、物理的な位置関係はわかりずらい。

物理ネットワーク図

物理的な接続情報や位置に基づいて作成された図。

物理的な接続情報や位置関係はわかりやすいが、通信経路はわかりずらい。

L2(Layer2)

ネットワークインターフェース層のことをL2と呼びます。理由は最後に!

L2スイッチ

L2の通信を実現するための機器です。

同じネットワークの機器同士を有線で繋いで通信させることができます。

L3(Layer3)

インターネット層のことを指します。理由は最後に!

ルーター/L3スイッチ

L3の通信を実現するための機器です。

異なるネットワークを跨いだ機器同士を通信させることができます。

ルーティング

目的のネットワークにたどり着くための中継です。

一旦ここまで!

どのような手順を踏んで目的のネットワークにたどり着いているのか少しでもご理解いただけたら幸いです!

ネットワークはまだまだ奥が深いです!

昨今は、この記事に書いたような物理的な機器を使ったオンプレミスのネットワークよりかは、クラウドの時代な印象を受けます。

しかし、GCPやAWSをはじめとするクラウドサービスの実態はこのような物理的なネットワークをGoogelやAmazonが用意してくれています。

私たちは、それをインターネット経由で利用しているだけなんです!

最後までご覧いただきありがとうございました!

補足:なんでL2,L3って呼ぶの?

TCP/IPの階層でいうと、下から1つ目と2つ目なのでL1,L2と呼ぶはずですよね?

なぜかというと、TCP/IPのもとになった階層モデルがあり、階層の数え方はそっちを参照しているからです。

OSIの階層モデルは複雑すぎるという理由であまり普及しなかったようですが、基本情報試験などではOSI階層モデルがよく出てくるので覚えておくに越したことはないです。

参考:OSI参照モデルとは?TCP/IPとの違いを図解で解説

ITインフラ

Posted by kotaro